解決しない世界遺産熊野古道の反対地権者

　尾鷲市内を通る熊野古道は、馬越峠・三木峠～羽後峠・曽根太郎・次郎坂そして問題の八鬼山越えの４コースが石畳と共に残っている。
　熊野古道参詣道が世界遺産に登録され３年半、年間４コースで５万６千人のハイカーが訪れた。人気コース馬越峠は４万５千人、西国１番の難所と言われた八鬼山越え１０キロは、健脚者でないと越えられないコースだが、石畳の傍らにたたずむ地蔵さんや巡礼墓石が歴史を感じさせる。
　しかし、このコースは八鬼山上り口の地権者名柄下り口の地権者が、世界遺産登録に反対して立て看板や、古道脇の桧等に反対の抗議文が書かれている八鬼山上り口に書かれている抗議文、特にイコモスやユネスコ、文化庁に対する抗議が多い。名柄おり口国道３１１号脇に立てられている反対看板。
　尾鷲市も世界遺産登録が地権者や林業施業者に、迷惑のかからないように景観保護条例を改正したり古道基金を創設したり、地権者の保護に取り組んでいるが、未だ解決のメドがたっていないのが現状である。　世界遺産反対看板等は世界的に類のないことであり、一日も早い解決を希望するが糸口させ見出せないのが残念である。
　皮肉なことに、八鬼山上り口の向井には「県立熊野古道センター」が建設されており、又、名柄おり口には三木里海水浴場があり、共に集客に力を入れているが、なんとも言いがたい現実がある。静かにシーズンを待つ三木里海水浴場